明けましておめでとうございます。
しーまんです。
今年もよろしくお願い致します。
ということで年も明け2023年が始まりました。
年明け1発目はフリーランスになる前に検討したいお金の話をまとめていこうかなと思います。
というのも私自身はフリーランスという働き方に魅力を感じつつも、正社員+副業という働き方をしています。エンジニアとしてはフリーランスになった方がお金もらえるでしょ!と言われることも多いなか、私は一概にはYESと言えないのではないかと思っています。
ですので今回は、フリーランスになることを考えている方に、本当にその選択が得なのか。お金の面から考えていきたと思います。
こちらの記事をご覧になれば、やっぱり正社員のままがいいな。いやいやフリーになろう。とご自身で判断できるようになるかなと思います。ぜひ判断の材料として使ってください。
正社員からフリーランスになるとかかる費用
私の周りにはフリーランスとして働いている同僚はもちろんたくさんいます。完全に体感ですが、やはりエンジニアという職種に限って言えば、正社員よりもフリーランスのもらっている金額は多いように感じます。
しかし、もらっている金額が多いからといって単純にフリーランスになろうとしている方はちょっと待ってください。正社員には正社員でとても優遇されています。まずはその正社員とフリーランスの違いをリスト化してみましょう。(お金の面に限る)
- 社会保険料(労使折半)
- 税金
- 健康診断
- インフルエンザの予防接種
- PC
- Googleドライブ
- その他 ツール/ライセンス
- その他 福利厚生
では一つ一つ見ていきましょう。
社会保険料(労使折半)
まずはフリーランスになると社会保険料を全額自分で支払わなければいけません。正社員の場合は会社と折半です。これが一番でかいですね。こちらを考慮しないで単純な年収アップだけを狙うとほんとに痛い目にあいます。
正社員は「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」の4つが社会保険料に含まれます。
フリーランスの場合は「国民健康保険」「国民年金保険」の2つが社会保険料になります。
まずは保証内容が全然違うよ!ということを覚えておきましょう。
次に実際に掛かっている保険料を計算します。
日本人の大まかな平均年収は430万円です。
正社員の場合こちらで社会保険料を計算すると大体61.2万円にもなります。会社が半分出してくれていることを考えると社会保険料全体は122.4万円にもなります。
フリーランスの場合は、25.6万円くらいです。
仮に差額が社会保険の差だとすると(本当はもっと掛かります)100万円分くらいの保障がフリーランスには無くなるということになります。
つまりここだけで530万円くらい年収がないと割に合わないですね。(年収アップ分の社会保険料は未考慮)
税金
次に見ていきたいのは税金の話になります。
こちらも考慮していないとかなりツラいと思います。
まず正社員の場合は毎月の給料から税金を引いたものが手取りになります。(先引き)
フリーランスの場合は1年間の収入から確定申告により税金を支払います。(後引き)
つまり、正社員とフリーランスの毎月の手取り額を単純に比較してはいけないということになります。
比較するのであれば、フリーランスの手取り×0.7(所得税20%, 住民税10%とした場合)くらいで比較しなければいけません。
例えば年収430万円の場合
正社員は月々28万円(338(税引き後手取り年収)/12ヶ月 – 実際にはボーナス等も考慮すると÷16とかが普通かもしれません)
フリーランスの場合35.8万円(430/12ヶ月)
どうでしょうか。月々の手取りが8万円くらい違いますが、先引きと後引きの違いなので実際の年収は同じです。これを勘違いして年収が増えたと思い込んでいたらかなり危ないです。確定申告で痛い目にあいます。
健康診断
次は健康診断費用です。フリーランスの方は受けていらっしゃらない方も多いのではないでしょうか?
こちらは会社負担で受けることができるので、もちろん今回はその差額を考えたいと思います。
こちらは大体1万円くらいかかってきます。
インフルエンザの予防接種
次に予防接種です。これは会社の福利厚生によって会社が出してくれるかどうかが変わります。
日本では大体25%くらいの会社が全額負担してくれるそうです。
こちらの費用は3000円ほどです。会社が負担していた方は考慮しておきましょう。
PC
次に仕事をする上で必要なPCについての使用について考えていきましょう。
今回はエンジニアを対象に考慮していますので、当然業務をする上でPCは必要です。
私の場合は14インチのMacBook Proを支給されています。AppleのHPでは現在最安値で購入した場合274,800円掛かります。法人PCの交換年数を4年とした場合は、年で6.8万円ほどの出費になります。
これをレンタルでまかなえるのは意外と大きいですよね。
Googleドライブ
こちらは多くの企業が使用しているGoogle Workspaceの使用量になります。
私の場合は個人で契約してしまうと年額1.3万円ほどかかってしまいます。
使用していない方は問題ありませんが、私と同じように大量のデータをお持ちの方は考慮しておかなければいけないでしょう。
その他 ツール/ライセンス
エンジニアとして働く上で、いろいろな有料ツールを使用すると思います。
例えばエディターライセンスやUnityなどのゲームエンジンライセンス。画像や動画を扱うAdobeのライセンスなどがこちらにあたります。
当たり前のように会社負担で使用していたと思いますが、フリーランスになるとこの様なライセンス料金も自身で払わなければいけません。
その他 福利厚生
他にも会社独自の福利厚生はいっぱいあることでしょう。
それらの恩恵も全て受けることができなくなります。
例えば私の会社ではウォーターサーバや無料自販機が設置されています。
こちらは自由に飲むことができます。こちらがもし有料の場合は1日1リットル分購入するとしたら300円くらいかかります。これが20日間だと6000円かかります。こういった面も意外とコストがかかることが分かります。
ご自身の会社で利用しているものは全て考慮に入れておきましょう!
その他フリーランスになると不利な点
ここまではお金の面に関して見てきました。
しかし、フリーランスになるとなるとお金だけでなく色々な面で不利なところがあります。
いくつか例を上げてみます。
- クレジットカードの作成が厳しくなる
- 引っ越しの審査が厳しくなる(住居の選択肢が狭まる)
- 銀行の融資を借りにくくなる(住宅ローンや車のローンなど)
- 有給休暇や育児休暇などが無くなる
- 社会保障が薄くなる(失業手当や年金制度など)
- 仕事の受注に手間がかかる(正社員の場合滅多なことではクビにならない(収入が途切れない))
- 転職以外での年収アップが望めない
ということでいくつか上げましたが、簡単に言うと社会的信用と保証がガクッと弱くなります。
こういうところもお金だけじゃないデメリットなのかなと思っています。
正社員と対応な年収は
ということでここまでで同じ年収ならば絶対に正社員の方がいいよ!というお話をしてきました。
では実際にどのくらい年収が上がればフリーランスとしてやっていってもいいと判断するのでしょうか?
こちらはとても難しくて、個人の価値観の差によって考え方が変わってきます。
ですのでここでは私個人の意見を述べたいと思います。
まず今回例に上げた年収430万円の方が独立する場合を考えましょう。
単純にお金の話8選でも上げたとおり、フリーランスになるとよりお金がかかるようになります。
最低でも年収600万円くらいの見込みにならないと独立はおすすめしません。(実際にはそこまでなくても生活が苦しくなることはないが、デメリットを考えるとそのくらい増えないと独立する意味はないかなと思います)
私自身が上記条件であれば年収680万くらいの見込みになれば独立を一つの選択肢として考えるかもしれません。(そのくらいであってもあくまで一つの選択肢として考慮する程度)
これが、正社員とフリーランスの年収差の重みです。
しかしフリーランスにもデメリットばかりではありません。もちろんメリットもたくさんあります。
例えば、経費を使えるようになったり、自身で働く時間や場所を決められたり、年収をバグらせて大きな利益を上げる可能性も秘めています。
何もフリーランスになることを否定しているわけではありません。
しかし、こういった考え方もあるんだよという参考例になります。
まとめ
ということで年明けはじめの記事は「フリーランスになる前に検討したいお金の話8選」というなんともお硬い内容になってしまいました。
私自身は独立肯定派ですが、何も考えずにフリーランスになることはやめた方がいいと思っています。
ちゃんと現実的に考えて、大きな夢を追いかけるために独立を考えた方がいいですね。
以上、フリーランスになりたいと思っている方に少しでも参考になれば幸いです。
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